お尻ポンポン

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ろばたばなしの会の会員の方)次は、お尻ポンポン
 むかーし、あるところにお母さんと子供の太郎が住んでいました。お母さんは山へわらびを採りに行き、「寺子屋が済んだらお前もおいで」寺子屋というのは和尚さんに習字や本を習う、お寺の学校です。太郎は寺子屋が終わると裏の山へ出かけました。いつもの場所に着きましたが、お母さんの姿が見えません。「お母さん、お母さん」繰り返して呼んでもやまびこが返ってくるだけでした。近くの木の枝でホトトギスが「お母さんを鬼がとってった、お母さんを鬼がとってった」鳴いて知らせました。太郎は悲しくて涙がこぼれました。「鬼はどこにいるんだ」太郎は山奥へ山奥へ探しに行きました。すると石のお地蔵さんが建っていて「北へ行くと川がある。川には船が繋いであるから、その船に乗って向こう岸へ行くんだ。鬼の家はそこからすぐだ」教えてくれました。太郎が言われたとおり、北に向かって歩いて行くと道が下りになって川岸に出ました。船は柳の木に繋いでありました。太郎が船に乗ると、船はひとりでに走って向こう岸に着きました。森の中に大きな屋根が見えました。太郎がその家のそばへ行くと「太郎は良い子だねんねしな、大きくなったらなんになる。雀に聞いても分からない。烏に聞いても分からない。教えて下さいお月様」子守歌が聞こえてきました。太郎が桃の木に登って門の中を覗くと、お母さんが山で採ったわらびを井戸端で洗いながら子守歌を歌っていました。「お母さん」太郎が呼びかけると、お母さんはすぐに気が付きました。「おや、???ここが良く分かったね、どうして分かったんだい」「お母さん、そんなことより鬼は今いるんですか」「いや今さっきみんなで出てった。今夜のご馳走に兎やキジを獲るんだって山へ行ったよ」「じゃ早く逃げましょう、今のうちです」「でもね、門が閉まっててどうにもならないんだよ」「じゃ僕が開けます」太郎は木から降りると走って門の方へ行きました。ホトトギスが飛んできて木に止まって「かんぬきをはずせ、かんぬきをはずせ」って鳴きました。よおく見ると大きな門の戸にかんぬきがしっかりとはめ込んでありました。太郎は一生懸命それをはずそうとえっさ、えっさ、なかなかはずれません。やっとこさとかんぬきがはずれました。「お母さん早く早く」二人が逃げ出したところをちょうど山から戻ってきた鬼に見つかってしまいました。「それっ、あいつらを捕まえろ、逃がしてなるものか」さあ二人は大急ぎで船に飛び乗りました。船はひとりでに川下の方へ走り出しました。それを見た鬼の頭は「逃がすものか、奴等を捕まえて今晩のおかずに食べてしまえ」さあ二人はびっくりしました。鬼達に頭がまた言いました「川の水を飲み干せ」鬼達が川岸にしゃがみ込むと水をがぶがぶ、がぶがぶ飲み始めました。さあ川の水が逆さに流れて船が後戻りします。「お母さんどうしよう」太郎が泣き声を出しました。「大丈夫、怖がらなくていいんだよ、お尻をめくってお尻の鼓でポポンのポン、ポポンのポンのポン、叩いて見せておやり」太郎が言われたとおり着物をめくってポポンのポン、ポポンのポン叩いて見せました。それを見た鬼達はお腹を叩いてげらげら大笑いです。その途端にお腹の水を全部吐き出してしまいました。さあ川の水が一度に溢れて勢いよく流れ出します。船はその流れに乗って矢よりも早く川下へ流れていきました。こうして二人は無事に家に帰りましたとさ。おしまい。

 

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