建築/展示/運営

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 さて、こうして建築設計は波乱万丈ながら日程通り進んでいったのですが、実際に建物が建つには、多くの時間が必要でした。折からのオイルショックで市の財政状態が厳しくなり、建設が先送りされてしまったからです。ようやく昭和49年建築工事始まり、開館にこぎつけたのは、昭和51年のことでした。
 建築設計にいろいろな意見を出していた、準備室の活動を振り返ると、博物館を作っていくには、建築設計、展示設計、運営計画が三位一体のものとして進められねばならないということを強く感じます。建物は、その中で何が展示され、どんな活動がされるのかを考えて建てられてはじめて機能的なものになるからです。その意味で、平塚市博物館の建物は幸福なスタートを切ったといってよいと思います。
 博物館が開館して、実際に使いだしてみると、いくつか不満な点もでてきました。市民参加の行事がさかんになるにつれて、小人数で集まれる部屋が、もう一つ二つ欲しいと思うようになりました。収蔵室は冬になると結露が起こり、どの部屋も二重壁にしておくべきだったと思われました。収蔵室のスペースが足りなくなっているのも事実です。これから、博物館を作る立場で仕事をされる方は、そうした経験もいかしてほしいと思います。
 しかし、全体的には、よくできたこの博物館の建物を今後も使いこなし、活発な活動を展開していきたいと思います。

(浜口哲一)

※ここに掲載した文章は、開館20周年記念展の際に発行された図録中の 第1章 博物館ものがたり 9.博物館の建物ができるまで です。執筆された浜口哲一先生のご厚意によりここに掲載させて頂きました。

 

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