銀河 98 夏

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夏の星空

 今年の夏の話題は、リニア−彗星と皆既月食です。リニア−彗星は7月上旬から8月中旬にかけて北の空を通り、明るさ3等星くらいになると予想されています。月食は7月16日の宵から始まり、赤い月が南の空低いところに見られます。皆既食は22時から始まり、23時頃最大、0時前に皆既食終了、となります。
 今年の夏の星空には明るい惑星が見当たりません。金星は夕方の西空に移って来ますが、この夏はまだまだ低く、目につかないでしょう。木星も土星も冬の星座のおうし座に入っているため、宵の空では見られません。明け方の東天に二つ並んだ姿が見られます。水星は6月上旬に東方最大離角となり、夕方のほぼ真西の空で0等星の明るさに見えます。高度は日没時20度位です。

 

さよなら、お月さま 5月6日〜7月16日

 家に忍び込んでは大事なものを盗み、食べてしまう迷惑なけむしが、ある夜、今度は月を食べようとトマトの宇宙船で旅立ちます。しかしたどりついた月は、何もないところでした。
 月は、わたしたち人類が生まれる前からずっと地球を見守ってきた、太陽に次いで関わりの深い天体です。困り果てたけむし、月を見張る「わたし」。地球から見た月、月から見る地球をくらべながら、愉快なストーリーとともに、距離38万kmに浮かぶ、身近な天体を紹介して行きます。1999年7月制作。

 

ギャラクシー・クルーズ 7月22日〜9月3日

 銀河に浮かべた、白い小舟、・・・で始まる歌を聞いたことがありますか。 知ってる、歌える、という人はその頃の楽しかったことを思い出されることでしょう。その頃は今よりも星空は私たちに身近だったような気がします。天の川は明るく天空を流れ、南の空に下っていきました。空の下で天の川に目を向け、ひとつひとつ星を数えたり、双眼鏡で小さな天体を見つけたりしながら、銀河系に住む自分のことを考えたりしたものです。そんな時代からずいぶん時は流れました。私たちの世界を取り巻く、にぎやかな宇宙模様を天の川の流れに乗って旅をしながらたどり、ふたたび都会に戻る時、こんな歌もあったことを忘れないでいてほしいのです。

 

星からの伝言−7月16日の皆既月食

 7月16日から17日にかけての夜に、皆既月食が見られます。月は太陽の光を反射して輝いていますが、この夜地球の作る影の中を通るため、暗く見えるのです。地球の影はふちがぼけていて、部分食の状態では影のふちはあまりはっきりしません。また、暗い部分にも赤っぽい光が入り込んでいるので、皆既中でもふつうは赤黒い月が見られます。今回、月は影の中心近くを通るので、皆既の継続時間が長くなります。肉眼でも観察できますし、もしも双眼鏡などがあれば部分食の時に地球の影のふちのようすを眺めてみるのもよいでしょう。地球の自転による動きのため、見かけ上月は東から西に移動して行きます。しかし月の公転方向は日本では向かって右から左になるので、見た目の動きとは反対の左側から欠け始めます。

 

表紙解説

 さそり座・いて座を流れる夏の天の川は、全天を帯のようにとりまく天の川の中で最も濃く、太い部分です。そちらの方向が、凸レンズのような形をした銀河系の中心になるからです。さそり座が南中するころには海に注ぐ河口近くの大河のように、また、夏の大三角形が天頂をよぎるころには、まるでまっさかさまに落ちる滝から上がったしぶきのようでもあります。
 中央部が口を開けるように黒いのは、ここに集まる物質が背後の星たちの光をさえぎっているせいです。

※ここに載せた内容は、銀河98夏の内容です。

 

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