子そだてゆうれい

ホーム 上へ

 

ろばたばなしの会の会員の方)子そだてゆうれい
 むかーし、ある村に一軒の飴屋がありました。その飴屋に毎晩遅く飴を買いに来る女の人がいました。一言も口をきかないで黙って飴を受け取ると真っ黒な夜の闇に帰っていきます。おかしいと思った飴屋の主人はある晩、女の人の後をつけていってみました。すると女の人は村外れの墓場の方へどんどんどんどん歩いていきます。夜更けの事ですから、いくら大人の男の人でも「気味悪いな」と思っていました。すると墓場から赤ん坊の泣き声が聞こえてきます。女の人は墓場に入っていくと赤ん坊の泣き声が聞こえる新しいお墓の所でふっと姿を消しました。飴屋の主人は背中に氷を当てられたようにぞくっと寒くなりました。
 あくる日、飴屋の主人はお寺の和尚さんに、そのことを話してみました。すると和尚さんは「あのお墓は数日前に亡くなった若いお母さんのお墓じゃ。もうすぐ産まれるはずの赤ちゃんをお腹に入れたまま亡くなってのう。気の毒な事だった」飴屋の主人はもしやと思って村の人達を呼び集めてお墓を掘ってみました。すると生きた赤ん坊がぐっすり寝て死んだお母さんの腕の中にいました。死んでからお墓で産まれた赤ん坊をなんとかして育てようとお母さんは毎晩幽霊になって、お墓から出て来て飴を買いに来てたのです。でも赤ちゃんが外へ出たことで、それからは女の人は飴を買いに来ることは二度とありませんでした。赤ちゃんはお寺の和尚さんに引き取られて立派に大きくなりました。そしてとても有名なお坊さんになったということです。おしまい。

 

ホーム 上へ

※当ホームページは、平塚市博物館が運営しているわけではありません。情報展示研究会が会の責任において製作しているホームページです。よって、このホームページの記述に対して、平塚市博物館がいかなる責任、義務を負うものではありません。
 何か疑問等ありましたら、こちらまで。 メールはこちらまで