ムービー(2151KB)
(ろばたばなしの会の会員の方)じゃ、んーとね、最初はね、平塚のとんきょ話。とんきょ話っていうのは、ちょっとあの滑稽なお話。昔ね、あの平塚の須賀は、お魚屋さんで有名だったんです。それもね、お店じゃなくてね、あの箱に入れて、そして担いで、天秤棒で担いで行くんですよ、自転車の無い時代はね。そして足の速い人なんかね、津久井の方まで担いで行ったそうです。で、どんどんどんどんね、近い所は、生きのいいのが売れていく訳でしょ。だから、あの奥に行くほど生きが悪くなるんだけど、お魚珍しいから、どんどん売れたんですって。で、そのときにね、あの、そのお魚屋さん達が、何か面白い話をして歩いたのね。あの例えばね、さっき橋の上でね、白い犬と、黒い犬がけんかしてたよ。そしたらお魚買いに来た人達がね、どっちが勝ったの、白勝ったんだろう、て言うとね、そうすると否そうじゃない、黒勝った、とかね。なんで、黒が勝ったのって言ったら、炭屋が炭をね、ぶちまけて、あの白も黒になったんで、黒勝った。とかねそんな話して歩ってたの。
で、あの、じゃ今日はね、あの馬の尻にお札っていうお話しです。
昔々あるところに、ちょっと血のめぐりの悪いお婿さんと、しゃきしゃき働く、お嫁さんがいました。あるときお嫁さんの実家、お父さんの所から「家を新しくしたから、お祝いに来て欲しい。」そういう知らせがきました。お婿さんが喜んで行こうとすると、お嫁さんが「ちょっと待って。家を新しくしたっていうのは、お家を褒めなきゃいけないの。だから褒めて、それから何かちょっと言ってあげるといいから、家をよーくよーく見て、どこかに節穴があったら、あーこの節穴は折角の家なのにもったいない、お札でも貼ったらどうですか。そう言えばいい。」それを聞いてお婿さん喜んで出かけて行きました。そうして向こうの家に着くと、みんなが、おお良い家だ、立派な家だとみんなで褒めているのに、お婿さん、きょろきょろ、きょろきょろ、どっかに節穴ないか、と一生懸命探して節穴を見つけたので喜んで「お義父さん、お義父さん、とってもいい家だけど、ここに節穴あるの残念だから、お札でも貼ったらいい。」それを聞いて、お義父さん喜びました。あー家の婿のことを皆がちょっと足りないって言うけど、どうしてどうしてなかなか立派なものだ。そうしていっぱいお祝いの品物をもらって家に帰って来ました。
それからしばらくして、今度また立派な馬を一頭仕入れました。「見事な馬ですから見に来て下さい。」そう言われてお婿さん、お嫁さんに何にも相談しないで、喜びいさんでお嫁さんの実家へ出かけて行きました。そうすると、見事な馬で、本当に黒々とした黒馬でした。お婿さんは「あぁ、立派な馬ですね。」と言いながら馬の回りをぐるぐる、ぐるぐる??して、最後にお尻のほうにまわって「この穴にお札貼ったらいいですね。」そう言いましたとさ。おしまい。
|